「腸」が脳を支配する構造

腸は脳より偉い

人間の臓器(器官)には、目や鼻、腎臓や肝臓、脳、手や足などいろいろとありますね。

 

臓器のどれもが欠かせない存在で、それぞれに大切な働きを持っているのは間違いありません。

 

でも、仮にその中で順番をつけるとするならば、一番にくるのは何でしょうか?

 

「脳」と答える人がほとんどだと思います。

 

脳は体の司令塔で、全ての器官に命令を出しているのですから、一番偉そうですよね。

 

ところが、その脳よりも上をいく影のボスが腸なのです。

 

人間は腸からつくられる

胎児の成長過程では、まず一番最初に作られる器官、それは脳ではなく腸です。

 

受胎の初期に形成されるのが、口をもった袋のような形であり、これは原腸と呼ばれています。

 

原腸
(出典:ウィキペディア)

 

原腸は原始的な腸管であり、ここから最終的には消化管として機能する腸管が発達していきます。

 

この原腸ができることで、脳など体の他の器官をつくるための分化が始まります。

 

つまり、腸というのは臓器兄弟の中の長男であり、後から生まれる弟や妹の面倒をみてあげる存在とも言えます。

 

腸だけで生きている動物

世の中には、なんと腸だけで生きている動物がいます。

 

それがイソギンチャクやクラゲなどの腔腸動物と言われる生き物です。

 

腔腸動物は脳もないのになぜ栄養をとるべきタイミングを知り、その他の生殖や生存に必要な動作が行なえるのでしょうか?

 

それは腸自体に情報伝達の役割を担う神経細胞(ニューロン)が備わっているからです。

 

つまり、腸だけで生存に必要な全ての判断をし、全ての必要な機能を処理しているのです。

 

この腔腸動物の例からも分かるように、動物にとって腸という器官は生命を支える根幹となるもので、脳よりも偉いのです。

 

そのことは、脳のない動物がいるのに、腸のない動物は存在しないということにも示されています。

 

腸から脳への命令

人体の中においても、腸には神経細胞が存在しており、脳から独立した判断をして動いています。

 

人体で神経細胞の備わった器官は、脳以外には腸だけです。

 

ですから、腸は脳からの指示を受けることなしに食べ物の消化・吸収・分解を行ないます。このように脳の指令を受けることのなく働ける器官は、体の中で腸だけなのです。

 

逆に腸は、自らが受けた刺激を神経細胞を通して脳に伝えています。

 

具体的には、腸から放出される神経細胞のセロトニンやドーパミンが脳に影響を与えて、人の幸福感ややる気を左右するのです。

 

こうして考えると、影のボスである腸の役割は見逃せませんね。

 

何だか全身の不調を感じているというときは、もしかしたら影のボスが弱りきっているのかもしれません。

 

そのような時は、腸を元気にしてあげることで、心も体も調子を取り戻していけることでしょう。